食べていないのに痩せない理由― 頑張っているのに結果が出ない人が、必ずハマっている落とし穴 ―
こんにちは。パーソナルトレーナーの新井です。
「朝は抜いて、昼はサラダと鶏肉だけ。
夜も炭水化物を控えているのに、全然痩せないんです……」
このタイトルを見て、思わず手が止まった方もいるのではないでしょうか。
食事量を抑えているつもりなのに結果が出ない。
運動もしているのに体重が変わらない。
それは、あなたの意志が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。
特に12月〜1月は、
忘年会・クリスマス・お正月・新年会と飲食の機会が続き、
「去年の正月太りを、まだ引きずっている…」
そんな方も少なくない時期です。
今回は、
ダイエットがうまくいかない方が共通して陥りやすい“行動の落とし穴”について、
トレーナーとしての現場経験をもとに解説します。
ダイエットの大原則と、よくある誤解
ダイエットの基本は、
摂取カロリーと消費カロリーのバランス(カロリー収支)です。
ただし、この原則を理解して食事量を減らしているにも関わらず痩せない場合、
多くは「やり方」に問題があります。
※ 栄養欠乏や慢性的疲労、女性に多い隠れ貧血など、
医学的な要因が関係するケースもありますが、
今回はそれらの特殊例を除いた一般的なケースに絞ってお話しします。
私がこれまで多くのダイエット相談を受けてきた中で、
結果が出にくい方に共通する6つのポイントをご紹介します。
① 記憶に残らない「間食・飲み物」

最も多い原因がこれです。
職場でのお菓子の差し入れ、
休憩中の一口二口、
「口寂しいからちょっとだけ」。
これらは食事として認識されにくく、記憶に残りづらいのが特徴です。
例えば、アルフォートは1枚約53kcal。
3枚食べると約160kcalで、ご飯約100g分(お茶碗半分)に相当します。
さらに注意したいのが「飲むカロリー」。
- ジュース
- 加糖コーヒー
- 牛乳
- 味付きミネラルウォーター
これらも水感覚で飲みがちですが、確実にカロリーを含んでいます。
「食べていないのに痩せない」と感じる方ほど、
こうした“無意識の摂取”が積み重なっているケースが非常に多いです。
② 「感覚のズレ」による見えない食べ過ぎ

「以前より量を減らしているつもり」でも、
客観的に見ると多い、ということは珍しくありません。
人は食事量に慣れると、
自分が食べている量を正確に認識できなくなることが分かっています。
特に、
- 高脂質
- 高糖質
- 甘い食べ物や飲み物
などは脳の報酬系を強く刺激し、
「これくらいが普通」という感覚の基準がズレやすくなります。
▶ ポイント
脂肪減少を目的とする場合は、
感覚ではなく「量を量る・記録する」など、
客観的な管理が成功の鍵になります。
③ エネルギー密度が高い「脂質オーバー」の食事

脂質は、
1gあたり9kcalと、
炭水化物・たんぱく質(4kcal/g)の2倍以上のエネルギーを持っています。
そのため、
- 調理油
- ドレッシング
- マヨネーズ
などで、1日のカロリーは簡単にオーバーします。
オリーブオイルやMCTオイルも、
「質」は良くても油であることに変わりはありません。
健康的=低カロリーではない点には注意が必要です。
④ 週末で帳消しになる「1週間トータルの食べ過ぎ」
平日は極端に我慢し、
週末に外食や飲み会で一気に摂取量が増える。
このパターンも非常に多く見られます。
1日単位では少なく見えても、
1週間単位で見るとカロリーオーバーになっているケースです。
最近では「チートデイ」も広まりましたが、
本来の目的は炭水化物量を一時的に増やすことであり、
「好きなものを好きなだけ食べる日」ではありません。
⑤ 欠食は「代謝のブレーキ」になる
食事を抜きすぎると、
体はエネルギー不足を補うため、筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。
筋肉量が減る
→ 基礎代謝が下がる
→ 痩せにくい体になる
また、欠食は血糖値の急変動を招き、
ドカ食いや脂肪蓄積のリスクも高めます。
基本は3食しっかり食べることが、
結果的に一番の近道です。
⑥ 睡眠不足が食欲をコントロール不能にする

睡眠中は、
食欲や代謝に関わるホルモンバランスが整えられます。
睡眠不足になると、
- 食欲を抑えるホルモンが低下
- 食欲を高めるホルモンが増加
その結果、
高カロリーなものを無意識に欲しやすくなります。
寝る前のスマホ、カフェイン、夜の飲酒は、
睡眠の質を下げる大きな要因です。
まとめ|回り道に見えても「基本」が一番の近道
ダイエットに魔法や裏技はありません。
「食べていないのに痩せない」と悩んでいる方は、
まず次の3つができているかを確認してみてください。
- 3食、主食を含めてきちんと食べる
- 適度に体を動かす
- 7時間前後の良質な睡眠を確保する
すべてを一度に完璧にやる必要はありません。
まずは、
- 間食を意識する
- 睡眠時間を30分早める
など、できることからで十分です。
もし、本当に極端に食べていないのに痩せない・むしろ太る
という場合は、甲状腺機能など内科的要因も考えられるため、
医療機関への相談をおすすめします。
具体的な食事内容については、また別の機会に詳しくお話ししますね。
ではまた!





